クラウドPBX選びのポイント「ナンバーポータビリティ」
すでに多くの企業が採用を進めている「クラウドPBX」。従来の固定電話回線ではなく、インターネット回線を活用したその特長から、働く場の制約をなくし、働き方改革の目玉の一つとして注目されています。一方、クラウドPBXに興味があるけど躊躇している企業も多いのが事実、今回はその代表的なトピックとなる「ナンバーポータビリティ」の概要と利点について解説し、クラウドPBX導入時のポイントもご紹介します。

ナンバーポータビリティとは?
ナンバーポータビリティとは、電話番号を現在の通信事業者から別の通信事業者に移行することを指します。ビジネスまたは個人で利用している現在の電話番号を変更することなく、通信サービスのプロバイダーだけを変更できる仕組みです。
例えば、現在利用している固定回線の通信事業者からクラウドPBXの通信事業者へ移行する場合、通常であれば電話番号も変更することになります。しかし、ナンバーポータビリティを利用することで、電話番号を変更せずに新しい通信サービスを利用することができるのです。
「MNP」と「LNP」の違い
「ナンバーポータビリティ」と検索するとよく目にするのが「MNP」や「LNP」の文字。これらはいずれもナンバーポータビリティを意味するのですが、具体的には以下の様な違いがあります。
MNP (Mobile Number Portability)
Mは携帯電話を表す「Mobile」の「M」で、携帯電話での電話番号の移動(ナンバーポータビリティ)ということになります。携帯電話の利用者が通信事業者を変更した場合でも、以前の電話番号を保持して新しい通信事業者で利用できる仕組みを指します。個人が携帯通信業者(キャリア)を変更する際によく聞く言葉だと思います。
LNP (Local Number Portability)
Lは固定電話を表す「Local」の「L」で、固定電話での電話番号の移動(ナンバーポータビリティ)ということになります。固定電話の利用者が通信事業者を変更した場合でも、以前の電話番号を保持して新しい通信事業者で利用できる仕組みを指します。LNPは、特に企業や家庭などで使用される固定電話に関連してよく聞く言葉だと思います。
本記事では、特に企業で使われることが多い「LNP」に特化した内容を紹介しています。

ナンバーポータビリティはなぜ重要か?
ナンバーポータビリティを利用するメリットは時間・費用ともに大きく、一般的に以下のような手間を回避することができます。ここではその一例を紹介します。
- ホームページの変更やメール、電話での顧客への案内:
デジタル社会である昨今、最もスピーディに取り掛からなければならないのが会社HPの更新でしょう。顧客には事前に電話番号変更に関する案内メールや電話をする必要もあります。デジタルである分、費用は比較的安価で済むかもしれませんが、そのために時間を奪われることも事実です。 - 印刷物の変更:
生産業における商品パッケージへの印刷物や、配布資料、最も身近なものでは名刺など、コストと時間を要する変更がこういった物理的な印刷物への変更になります。生産業であれば場合によっては変更のために作業の一時停止を伴うなど、支払う面だけでなく収入の部分でも影響が出る場合があります。 - 企業としての信頼性低下:
一般的には企業、個人問わず、電話番号の変更にあまり良い印象は抱かないでしょう。特に社会的な信用が大切な企業にとってはとても大きな出来事となります。諸事情によって致し方ない場合もあり、必ずしも悪いことではないのですが、可能であればそういったリスクを取らずに新サービスへ移りたいところです。 - 電話不通などによる混乱:
上記のような変更や案内を行なっていても、すぐに新番号が浸透するのが難しい場合があります。やはり一部のケースでは旧番号にかけてしまい、電話がつながらずに慌ててしまう顧客もいるかもしれません。そういったリスクも回避したいところです。
どうしてクラウドPBXへ乗り換えるのか?

クラウドPBXへのサービス乗り換えは従来の固定回線では実現出来なかったさまざまなメリットがあります。特に、通信費のあり方や働き方を見直すチャンスでもあります。その代表的な2つのメリットを紹介します。
- 電話にかかる通信コストを抑えられる:
クラウドPBXは従来の固定回線に比べ、初期費用や通信コストを削減することが可能です。機器の購入や保守管理も不要で、地域の異なる拠点間での通話も内線でつなぐことができるため、コストがかかりません。物理的な設備が不要なので従来のPBXに比べ、少ない負担でご利用を開始いただけます。 - スマホやパソコンで利用できる:
スマホやパソコンで利用できるということは、場所を選ばずどこでも利用できるということになります。例えば、会社の電話にかかってきた電話を、そのまま切らずに外出中や在宅中の社員のスマホまたはPCに内線転送することが可能になります。働き方改革に取り組む企業にとっては、場所を選ばずに働けるリモートワークの導入や電話コストの削減など、非常にメリットの多いシステムとなります。
「LNP」の注意点
実際には、すべての固定電話番号がナンバーポータビリティに対応しているわけではありません。ナンバーポータビリティに必要な条件は大きく以下の通りです。
- 現在の番号がポータビリティに対応していること:
現在の番号が対応しているかどうかは、現在の契約業者など条件によって異なるのでここでは詳細を割愛させていただきますが、まずは現在の番号が対応可能番号であるかどうかを知る必要があります。 - ナンバーポータビリティが可能なクラウドPBXサービスを選ぶこと:
現在の番号がポータビリティ可能な番号であった場合、移行先のサービス事業者(クラウドPBXのベンダー)がポータビリティを実行することができるかどうかを確認しなければなりません。もし不可能である場合、移行先のべンダーを通じて電話番号を新規に取得する必要が生じます。
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