プロトンメールのコンセプト
Protonmailのコンセプトは素晴らしいです。サーバーで読み取られない暗号化されたメールを、本人しかアクセスできないメールボックスに届けるというアイデアは、個人専用の郵便受けのようです。しかし、当社では数年間Protonmailを利用してみて、残念ながらProtonmailは個人情報を保護する現実的な手段と呼ぶには不十分ではないかという結論に至りました。そこには技術的な面だけでなく、運用面の課題もあります。以下は、私たちがそう考える6つの理由です。
プロトンメールの6つの懸念
- Protonmailユーザー間のメールのやりとりは暗号化されており理論上は安全ですが、Protonmail以外のアドレスから受信したメールは普通のテキストでルーターを通過しています。従って、Protonmailを使っていないユーザーから受信したメールは安全ではありません。
- インターフェースはZoho mail、Zimbra、Outlookなどと比べても野暮ったく使いづらいです。例えば、複数のメールを一度の削除するのが難しいなどの問題があります。
- Protonmailも他のプロバイダー同様、法律に基づく当局の求めがあった場合はユーザー情報を提出しています。
- サービス内容に対して料金設定が割高です。容量15GBを利用して月額4ドルです。
- ミーティングの招待を受け取るのがOutlook、Zimbra、Zoho Mailなどと比べて煩わしいです。
- AndroidやiOSネイティブでメール統合されていません。そのため、スマホのカレンダーや連絡先、タスクリストなどと自動で連携してくれません。つまり、専用アプリが必要なメール機能オンリーのサービスです。

スイスだから安全というわけではない
上記の6つの理由から、コスト、機能、セキュリティの面から考えると、ビジネスにおいては不十分なサービスであるという印象です。スイスでデータを管理しているなら安全だろうという考えは危険です。たとえスイスであっても、サービスプロバイダーは運用拠点を置いている国の法律に従わなければいけません。Protonmailでは、ユーザーのデータはやはり危険にさらされています。そのことを示す事例(英文記事)もあります。この事例でもやはり、スイスの法律によってProtonmailはユーザーの追跡をせざるを得なくなっています。つまり、ユーザーがしっかりリスクを理解して使わなければ、Protonmailであっても危険であるということです。

ビジネスにおけるメールサービスとは
どのEメールサービスを使うかは慎重に選ぶべきです。無料のメールサービス(Gmail、Yahoo、GMX、Outlookなど)はビジネスにおいては特に避けるべきです。その他の選択肢を比較検討してベストなものを自分で選ぶことが大切です。当社では、外部サービスに頼らず、セキュリティ性に優れた自社のBizmailサービスを強化しています。2007年に立ち上げたこのサービスは、ビジネスにメールを使う企業様にご使用いただいています。今すぐセキュリティを強化したいお客様は、ぜひお問い合わせください。